いやあ、生きててよかったと思えるほどの感動を覚えることはそう滅多にあるものではない。いやなに、昨夜のTVなんだけどね。なにげなくチャンネルを回していたら偶然、教育TVでオルフの「カルミナブラーナ」をやっている。みなさんご存知かどうかは分からないけど、「カルミナブラーナ」は中世の世俗歌のことで、歌詞の内容が凄まじい生への讃歌、つまり直訳は出来ないほどのセックス讃歌で、字幕の固い訳を読んでいるだけでも笑ってしまう。そんな内容を大の大人から子どもまでおおまじに歌っている。多分ラテン語だろうから子どもにはわからんのか、分かっていてもどうってことないのか、大人、子ども、オケ、指揮者全員が乗り乗りで演奏している。終ってタイトルを見るとサイモン・ラトル指揮のベルリンフィル、そして演奏は去年の大晦日。あっけにとられていると次にベルリンの野外音楽会「ピクニックコンサート」になった。曲はチャイコフスキーのピアノ協奏曲。なんだと思いつつ見ていたら、ランランという多分中国系のピアニストが無茶苦茶うまい。いや、上手いという表現では不十分だ。彼はチャイコフスキーに成りきっていてすべての音、すべてのフレーズが必然的だし、即興演奏のように聞こえるほど新鮮なパフォーマンス。顔は少し、えなりかずき風ではあるが、あまりにもパッションに溢れているため、サイモン・ラトルはじめ、オケのメンバーまで熱気が充満して、丸でロックコンサートのような感じ。ワルトビューネという野音は万を越す観客だが、アップになっても白けている人は誰もいない。音楽会はこうじゃなくちゃ。日本人じゃこうは行かないだろうなあ。そういえば、チェロのヨーヨーマも似た表情をするなあ。
今日の夕方は横浜の水野さん宅で、今度音友から出す予定の「デュオヴァイオリンによる世界のメロディ」の最終譜面確認の演奏に立ちあう。自分で言うのもなんだが、面白くよく出来ていると思う。特に無伴奏のデュオによるロッシーニ「ウィリアムテル序曲」は大受けするだろうな。
朝聴いたCD,ベルリンフィルジャズメンバーの演奏。やはり面白い。
競馬は完敗。今年に入ってスズカマンボという名前はしつこく頭の中を駆け巡っていたけどまさか来ると思わんものね。