ストルツマンのクラリネット

フレンズでストリング誌の連載を考えた後、夜「かぶいて候」で、ジャズ系ではあるんだけど、物凄くやわらかい音色でしびれるクラリネットの音を聴いた。店のお姉さんの趣味の良い音源選び。CDを見せてもらうと、もと「タッシ」のメンバーのリチャード・ストルツマン。私は「タッシ」演奏のメシアン「世の終わりのための四重奏曲」のLPを持っているが、そのクラリネットだとは知らなかった。ライナー解説の黒田恭一氏。ストルツマンは技術ではなく人間性あふれる暖かい演奏だと書いているが、バッカじゃなかろうか。天才的な技術なくして、あんな音が出せるものか。黒田さんはクラリネットのことをよくご存知ないようだ。ストルツマンのすごい所は、聞き流していてはよくわからない地味な中音域のすばらしさにある。クラリネットは変な楽器で、低音と高音は吹きやすいが、中音がくぐもって大変吹きにくい。それをビロードのような音色で吹くんだからしびれる。NETで見たがストルツマンは数々の現代曲をCD化しながら、ジャズでも大活躍している。私の1年上だ。見習わなきゃ。