東儀鉄笛のこと

夜、放送大学で、明治時代の雅楽家で役者だった東儀鉄笛のことを知り驚いた。恥ずかしながらこの人の名は知らなかったが、邦楽が洋楽に伍していくためにたいへん悩み勉強し、オペラまで作曲している。邦楽にももちろん楽譜的なものはあったのだけど、例えば雅楽は、すべての楽器毎に楽譜が全く違い、全然互換性がない。そこで鉄笛は苦労してすべての楽譜を五線化して互換性を持たせ、邦楽を五線譜で書くことに初めて挑み、成功した人だったのだ。そして、近衛直麿、この人は近衛秀麿の兄弟で早死にしたことは知っていたが、初めて「越天楽」をオーケストラに書き直した人だった。昔の人の苦労はたいへんなものだったことがよくわかる。