大崎さんとの対談

長野から大崎さんが来てくれ、純正律音楽研究会の会報用の対談が2時から始まった。実に実に面白い内容で、大崎さん自身、「活字になったらこまる」ような情報や話題が聞けた。私が今ストリング誌に連載している中に書いていることで、現代ドイツ人はシューベルトなんか知らないはずだと思うがと訊くと長年ドイツにおられた氏から全くその通りだとのこと。さすがにワグナーの名前くらいは知っているが、ある日今夜オペラを見に行くといったらドイツ人から何を?というのでワグナーというと、あんな退屈なものをといって珍しがられたということだ。またバッハ研究は北ドイツとアメリカと日本だけで、とにかくクラシックに対する日本のドイツ信仰は大変珍重なことだそうだ。また当然だけどドイツの作曲家研究はドイツ人しかやらない。その中にあってモーツァルトだけは各国が研究しているという。それだけモーツァルトは愛されているのかと訊くと、そうではなく、モーツァルトは各国に足跡を残しているからで、そのせいで、モーツァルトEU統合の象徴となっているらしい。
シュぺルガーという作曲家の18曲のコントラバス協奏曲は非固定調弦で書かれており、すべて調弦が違う。これはビーバーのヴァイオリンソナタにもあるそうだ。これと同じことがウェスタン・フィドルの「クロス・チューニング」だと譜面を見せながら説明したら氏はヘーッと興味深そうだったが、私の考案した四弦同時に弾ける弓を見せたら心底棘驚かれていた。
話は7時近くまでに及び、その後はうらのコルメ家でも飲みながら話が続いた。本当に長時間、大崎さん、ありがとうございました。