日活映画二日目

万難を排して今日も京橋に出かけた。藤田敏八監督「野良猫ロック・暴走集団’71」。この映画には実に悲惨な思い出がある。倒産寸前の日活には予算がなく、すべてオープンロケ。ところがずーっと天候が悪く、ラッシュ試写は半分くらいしか観ていない。しかも明日録音だという最後の日にやっと音楽打ち合わせ。しかし、撮影クルーは間に合わないのでずーっと伊豆にいて戻ってこない。やっと打ち合わせが始まったのが深夜12時、所がみんなが眠りこけ、最後には監督までがすーっと寝ようとするので私は何度も体をゆすって起こし、打ち合わせが終わったのは深夜2時過ぎ。それなのに、録音は翌朝10時、ここに音楽はいらないという話し合いなどできるわけもなく無抵抗に音楽個所に棒を引き、数えてみるとM37。事前に台本上で書いておいた曲があったせいでやっと間に合ったのだ。そういう事情を踏まえても映画としては「新宿アウトロー」より出来は良くないと思う。伊豆というローカルロケなので、音楽は当時私が好きだった「エリアコード615」というカントリーロックバンド風メロディをBST風ブラスロックアレンジ。伊豆ロケにはバッチリ合っていた。「新宿アウトロー」では本当に最後の最後にちょろっと出た地井武男が準主役。今じゃTVでいいお散歩おじさんをやってるけどねえ。