千夜千曲

私の日記をよく読んでくれている人からメールが来た。曰く、知らない曲ばかりでアーアだけど、他のところが面白いのでまた読むと。何という誤読。アーアだったら読まなくてよろし。同じように思う人がいるかも知れないので私の真意を書いておこう。
結構ディープなファンの多い文芸活動家で松岡正剛氏という人がいる。その人のHPは「千夜千冊」というタイトルで、毎日300ページはある単行本を読み、きちんと評論したうえ、読んで気になった何ページかを引用するというとんでもない力技を発揮している。私は以前の日記からこのブログに移行するとき、タイトルを「玉木宏樹の千夜千曲」にしようかと思ったが、良く考えて止めた。300ページにわたる単行本の量が音楽に換算できないこと。そして何よりもの違いが、音楽の場合、引用が効かないことである。私はしかし、日本でも追随を許さぬほどいろんな曲を聴いてきているから、その財産を元に知られていない曲を聴き、それを紹介し、また私が気に入った曲は何回リピートして聴いているかをムキになって報告している。これは決して自慢なんかじゃない。また私は詰まらないと思った曲ははっきりいうが、いいと思った曲を人に押し付けたりはしないが、自分が何回聞いたかで注意喚起しているつもりである。私は学生にもベートーベンやブラームスはつまらないからこんな曲はどうかといってかけたCDで学生はいつものけぞっている。第一みんなが知っている曲について私が何かを書いてどうするんだ。<ベートーベンの「運命」はいつ聴いてもすばらしい。今日で100回目だ。>なんて書きだしたらみなさん、私を強制入院させて下さい。私が何故いいと思ったのか、どうしてダメだと思ったのか、とかレーベルNoを知りたい方とか気軽にコメント書き込んで下さい。
コンピュータでデータつけだしてから現在までリピートしている曲を少し並べておこう。147回。 Salmenhaara Inventio(フィンランドの民俗楽器カンテレの演奏)137 Canteloube バイレロ(Canteloube オーヴェルニュの歌からフォン・シュターデ盤)67 Debussy レントより遅く(Vox-Box盤のオケ編曲でチンバロンがいい)65 Schreker Valse Lente 64 Thommessen From Above(シンセのオシャベリが最高)48 Pelecis Concertino bianco 43 Tubin Toccata、40 Canteloube オーヴェルニュの歌フォン・シュターデ盤全曲)、40 Chavez Sym No2,Sinfonia India 等々。