岩本さん宅でCDの再生の比較。

何度かうちの事務所に来てくれたヴァイオリニストの岩本さんからCDプレーヤーの重大欠陥を検証するから来ませんかとのメールが来ていた。私は浴びるほどCDを聴くが、音質に関しては全く無頓着なので、どうしようかなと思ったが、ストリング誌の青木編集長とハープの高田さんが行かれるとのことなのでお付き合いすることにし、14:30に青木さんとつつじヶ丘で待ちあわせ。早く着いたのと、青木さんが遅れるとの電話があったので、喫茶店にでも入ろうかと思って南口を出ると、驚いたことに全く何もない駅前だ。少し歩いて小さな本屋に入り、その向かいのコンビニで週刊誌を立ち読みして時間調整。青木さんと合流してバスで10分くらい。もう高田さんは着いていた。岩本さんのマンションの部屋は長細いが、綺麗に整頓されて私の事務所とは正反対に清潔。さて、岩本さんの言う欠陥とは、CDプレーヤーのデジタル情報の読み取りエラーによる勝手な修正再生が全くデタラメで、岩本さんによると
<CDプレーヤーでCDを聴き続けると、音楽的ニュアンスに鈍感となり、音程把握能力が狂うetc>と重要なメッセージとなる。これを正常にするために、I-Tunesのあるコマンドを使えば、全く違う音になるということだ。本当なら大変なことだと青木さんは重要な関心があるし、また音に敏感な高田さんも多いに興味深そう。それに対し私は、もともと、CDプレーヤーなんか信じていないし、その前に今のデジタル録音そのものに反対なので、あまり興味が湧かないのだ。で、実際に普通のCD再生(そのCDプレーヤーそのもので外車が買えるほど高いそうだ)と修正後の音を聞き比べた。私の予想通り音は全然違う。修正前の音はモルタル白壁にペンキをぶちまけたような音で、かすかにセミの鳴き声のような雑音すら聞こえる。それに対し、修正後の音はホログラフィー空間にくっきりと浮かび上がった鮮やかな色彩感にあふれ、耳にも優しい音だ。でもいろいろ聴いた末の私の印象は、そこまでして今のシステムを補正する前に、今のデジタル録音そのものを変えないと根本改造にはならないということだ。私は浴びるほどCDを聴くために、システム補正したほうがいいんだろうけど、私の考えは、CDでの音楽再生は所詮、美術全集を写真で見るのと同じに過ぎず、いい精度で見たほうがいいだろうけど、私のCDの聴き方は鑑賞者ではないので、システムに金をかけるより、たくさんソフトを買いたいほうなので関係ないと思ってしまうのだ。私はクラシック愛好者にではなく、クラブミュージックやヒップホップ系の作り事、まがいものの世界をこのシステムで再生し、その欺瞞性を暴きたいと思う。
終わって調布駅前の飲み屋、料理がうまかった。