村上春樹はノーベル賞を取れるのか

朝日ニュースターニュースの深層」で村上春樹の「海辺のカフカ」を話題にしていた。タイトルからすると、春樹ヨイショなのかと思っていたら全く逆の舌鋒鋭い反春樹番組だった。出演している東大、小森教授の「村上春樹」論が予想もしなかった反春樹で、番組司会者の葉千栄がこれまた春樹に詳しくて驚いた。しかし今、中国と韓国では春樹がバカ売れでファッション現象になっているとのこと、フーン......。私も書店に並んだとき真っ先に買って読んだがその発売日がNYテロの1年後だとは全く知らなかった。これは偶然なんかではなくちゃんとしたメッセージがあるというのだ。私はストーリーしか追っていなかったので、何だか変に破綻しているなあ、カフカと何の関係があるんだろう、くらいしか感じていず「ノルウェイの森」以来、何となくお説教臭いのがいやだなあ、としか考えなかったが、小森教授によると「海辺のカフカ」はあのテロや何やかやの重苦しい先行きに対して思考停止、記憶の棚上げを計ることによる癒しこそが世界救済だと主張しているのだという。この流れは河合隼雄と合体しているそうだ。
プロの深読みは怖いなあ。