ツイッターで純正律

tamakihiroki2010-04-27

ツイッター純正律のことを書いたら思いがけぬ大きな反響がありフォロワーも増えた。以下に転載。



バッハは平均律を使ってはいません。あの曲集を「平均律」と訳したのは日本の大誤訳です。英語で言えばとしか書いていません。バッハ時代に鍵盤楽器平均律にすることはあり得ませんでした。
ではバッハの<Well Temperd>とはどういう調律だったのかということが音楽史の話題になっていて多分ベルクマイスターlllだったんじゃないかという説が多い。この辺のことはケレタート「音律について」(シンフォニア)東川清一「古楽の調律』(春秋社)に詳しく書かれています。
重要な本を忘れていました。平島達司「ゼロビートの再発見」(ショパン)。ベルクマイスターでも24の調は弾けて最初のC-durは純正律に近く、和音の分散、段々とピタゴラス的対位法になって行く。ピアノが平均律になったのは1842年、工場出荷時のピアノに平均律を搭載したのが始まり。

1850年頃までは、プロの演奏家、作曲家は平均律に見向きもしませんでしたが、一回の調律で済むため、ブルジョアの家庭にピアノがもの凄く普及し、プロもいやいや平均律になったのです。悪貨は良貨を駆逐した訳。1900年頃マーラーは最近ミントーン(中全音律)を聴けなくなったと嘆いています。

私はハーモニートレーナー(現在は売っていない)という優れ機械を使ってセミナーをしています。ドミソを瞬間的に平均律純正律に切り替える機械で、この威力は凄くみんながショックを受けます。以前ある所で分からんチン親父から「自分は音痴だから難しい話は分からん」と言われましたが皆さんは本物のドミソを聴いてはいないといって、偽者を平均律、本物を純正律、日本の教育は偽物のドミソしか教えないと言って親父に違いは分かるかと言ったら「もちろん」と答えてしばらくして大声で「偽物を聴かされていたんじゃ音痴になるわ」と言い会場大爆笑。

響きを犠牲にしても転調自由のために平均律を選んだのに、調性を無くして平均律を使う12音は自己矛盾。
いやぁ,未だにバッハ平均律神話が横行しているのには心底驚くなぁ。バッハの平均律だと曲解したのは、確かヘルムホルツだったよね。

実際に平均律シンセサイザーで夜中ギリギリした濁りの和音の中で仕事をしていると、とても体に悪く30分ともたない。コーラスとかフェイザーとかのエフェクター類は、耳を船酔いさせて平均律の汚さをごまかしているのだ。

昔、キングレコードで私の純正律系のリミックスをしていたとき、ミキサーの人からこんなに耳に負担のかからない音楽は初めてだ。楽で気持ちよいと何度も言われたのを思い出す。

ロックギタリストに純正律の話をすると非常に理解が早い。リードギター純正律の美しいハーモニックスを使いたがるけど、サイドは平均律なので音がぶつかる。ドラムがうるさいのは、そのぶつかりによる濁りをマスキングするためだろう。

バッハ時代の作曲家とチェンバロ奏者たちは徹夜で酒飲んで音律談義をやっていました。そんな中から諸々の音律が生まれました。そう言う財産が平均律にとって駆逐されました。しかし日本のチェンバロ奏者も平均律ではなくいろんな調律を使っています。バッハは耳が良く、猛スピードで調律したそうです。

もう何年も前から放送大学音楽史の授業で、平均律曲集というのは大誤訳だと言ってるのに,その後のNHKFMでバッハが平均律を普及するために書いたと、堂々と解説したのにはのけぞったなぁ。

私はシンセ上で、純正律、ミーントーン(中全音律)ベルクマイスターlll、キルンベルガーlll、ピタゴラスを使い分けています。自然七度入りのシャープイレブンス(増11度)は平均律と違いとても美しい。生楽器ではアイリッシュハープを中全音律で、お箏を純正律ピタゴラスで演奏しています。

いやぁ,未だにバッハ平均律神話が横行しているのには心底驚くなぁ。バッハの平均律だと曲解したのは、確かヘルムホルツだったよね。

実際に平均律シンセサイザーで夜中ギリギリした濁りの和音の中で仕事をしていると、とても体に悪く30分ともたない。コーラスとかフェイザーとかのエフェクター類は、耳を船酔いさせて平均律の汚さをごまかしているのだ。

昔、キングレコードで私の純正律系のリミックスをしていたとき、ミキサーの人からこんなに耳に負担のかからない音楽は初めてだ。楽で気持ちよいと何度も言われたのを思い出す。