崎谷さん

夜、青木さんが私に是非合わせたいと言ってスイスで室内楽の勉強をしているヴァイオリニスト、23歳の崎谷さんを連れて来た。青木さんによると、音律にとても敏感で自分の弦カルも純正律で出来るよう訓練しているとのこと。
事務所に着くとストリング誌の最新号が届いていて,崎谷さんの紹介があり,急いで読んでみると、音律に対して真っ当に正しい発言をしている。青木さんは今まで7年くらい、いろんなミュージシャンに音律の質問をしているが、私の印象では初めての発言だ。
 読み終わった頃、二人到着。早速、彼もヴァイオリン取り出し、彼いわくの4つの音程の弾き分けを説明したりするが、そんなことはもちろん、合点承知の助、青木さんはテープを回し、記事になればと質問して来るが、我々はツーカーで話が分かり合えているので、悪いけど青木さんは蚊帳の外になってしまった。
 私が驚いたのは彼のフレーズの取り方。なんとモーツァルトのG-Durカルテットの1楽章第二主題のアウフタクトをダウンで始め、当然その音が強くなる。これは私が若いときにカルテットをやっていたときと全く同じだ。音律に強くなるとリズム感もよくなるし、フレーズも音も良くなると言う格好の見本だ。やっと頼もしい若者が現れた物だ。純正律音楽研究会を受け継いでもらえたら更に発展出来ると思うが。
 例によって私の昔の純正律のCDとか、音階練習の教本とかに彼も興味津々の様子。明日スイスに発ち、12月にまた来るとのこと。お達者に......。