三味線シンポジウム

夜、南阿佐ヶ谷の阿佐ヶ谷邦楽ホールにて行われる三味線シンポジウム「明日にかける三味線」に出演するため出かけた。会場は冷房が故障してもの凄い暑さの中30人ほどのお客さんで始まった。
NPO法人、現代三味線音楽協会の主催で、私はなぜか理事になっている。出演は常磐津文字兵衛、アメリカ人で津軽三味線奏者のケヴィン・メッツ、作曲家のマーティン・リーガン、邦楽器製作者の大瀧進一郎、司会で、邦楽ジャーナルの編集長、尺八が得意な田中隆文各氏と私の6人である。
「三味線の魅力」「三味線の可能性」「海外で三味線はどこまで知られているか」「三味線を広める方法論」、まあこんなテーマで始まった。
私にとって三味線の魅力は倍音豊富な「サワリ」だけど、それはともかく作曲をするのが4人もいて、それだけでも面白かった。文字兵衛さんはとにかく大量の作品を書かれている。そのうちの1%でも残ればいいとのことだが,そんな彼も三味線の曲を書くのは遅かったそうだ。「とにかく三味線は扱いにくい」そうである。
リーガンさんは、とてもいい曲を書いてもアメリカでは演奏されないのがきついとのこと。それに対してメッツ氏からは意外な話が聞けた。
日本では上映されてないけど、「キャリフォルニア三味線の誕生」と言う映画が評判になり、三味線を目指す人が増えていて、以前は故障したら東京へ来るしかなかったのに、いまではアメリカ人青年が三味線製作と修理をやっているそうだ。リーガンさんはうらうやましそうに、自分はテキサスだからなぁと。
文字兵衛さんは去年NYで三味線四重奏を演奏して、評判を取ったそうだ。
学校教育と三味線について、いろいろ問題があるが横浜のインターナショナルスクールでは見事な邦楽アンサンブルをやっているそうだ。
最後にリーガン氏とメッツ氏の曲を聴く。二人ともモーダルな作風で好感が持てた。
暑くてバテバテ。