未来型サバイバル音楽論

津田大介+牧村憲一「未来型サバイバル音楽論」読み出してる。とても面白い。しかしp36の牧村氏の見逃せない大間違い発言にはのけぞる。曰く、バッハやその時代に12平均律が作られた、とはどういう認識をしとるんじゃ!
バッハは決して平均律で作曲していない。「平均律クラヴィア曲集」というのは世紀の大誤訳なのは、知る人も多くなっているのに。モーツァルトベートーヴェンショパン平均律ではない。

牧村氏曰く:かつての「music」が今の「音楽」になったきっかけは、バッハですね。: なんだか含蓄のありそうな言葉だがだまされてはいけない。死後すぐに忘れられ、80年たってメンデルスゾーンが「マタイ受難曲」を復活上演するまで全く知られていない。
モーツァルトベートーヴェンはそんな人がいたらしいことは知っていたようだが、ハイドンは全く知らなかった。だからメンデルスゾーン以前はバッハの影響なんて受けていない。そんなバッハを「音楽の父」などと言い出したドイツ人の謀略に引っかかった発言は音楽史的に無意味で有害だ。