朝CATVで聴いた曲、トーマの序曲「レモン、または女王の秘密」。この曲は題名はちっとも有名ではないけれど、聴けば誰でも多分一回は耳にしたことがあるメロディがたくさんでてくる。昔はやった「ハッシャバイ」という歌のメロディもこれが原典である。
そのうち気にしていた電話がかかって来た。ストリング誌から連載原稿の催促。「いつできますか」と言われて「今日中に」と答えてしまって、さぁ書こうと考え始めたところ目がゴロゴロして集中力が欠如するので、こりゃだめだと思いこちらから電話をして明日までじゃ駄目かというと、夜中でもいいから今日中にと言われ、実は白内障の手術をした後なので、なんとかならないかと言うと、慇懃無礼に「それはたいへんですね。どうぞ無理をなさらず、今日中に書き上げて下さい。」と念を押されてしまった。しょうがないと昼飯を食ってフレンズで原稿を書こうと思ったら、ずっと私が編曲した「くるみ割り人形」が流れっぱなしになっている。これは気分が落ち着かない。どうしようかなと思っているとフレンズのマスターから「先生、今日は一割引きの日だよ」と言われた。近所に戸塚食品というスーパーがあって、8の日は一割引なのだ。マスターが言うには、8の日というのは実は深い意味があり、昔交番の裏に鬼子母神があって、そこでは8の日に大きな市場が開かれた。墓地の辺まで50-60軒のいろんなお店がでてたいへんなにぎわいだったそうだ。つまり八日市だったわけだ。で、戸塚へ行き、いつもどおり、余計なものを買ってしまう。事務所に帰り原稿書きに専念。そのときに聴いたCD、久しぶりに「A TRE VIOLINI」。これはオーセンティック古楽の典型的な演奏で、ポジティブオルガンなどもおりまぜ、これでもかといわんばかりの純正律だらけの世界。最初は非常に気持ちいいが、そのうちなんでもよくなってくる金太郎飴のようだ。古楽の問題点はそこにあるんだろうな。書き終えてストリング誌に入稿。さすがに今日だけはすぐにゲラが来た。ヤレヤレ。