今日は洗足学園の音律講義の初日。そもそもこの講義のきっかけは3月12日にフレンズでのミニコンサート終演後お茶を飲んでいるときのこと。桐朋が短大の方針変更で私の純正律の講義がなくなったために、日本では今ちゃんと純正律を教えているところがないという話をしていると、ゲスト参加してくれた水野佐知香さんが、急に大声で「じゃあ洗足でやりましょう」と言ってくれた。もちろんいいんだけど、細かいことを知りたい、というと、「私に任せておいて」といい、2週間後電話で「決めたわよ、来てね。」とお知らせがあったきり。なんだかよくわけのわからないうちに4月1日の洗足学園新任講師パーティに出るようにと言われて出席してみると新任講師に私の名前があり、担当科目は作曲となっていた。約1週間くらい前に水野さんから電話で「4月28日の朝10時40分に来て。」と言われたので、昨日資料を整理してヴァイオリンと純正律器械といろんなCDをもって大学へ。対象がどういう学生なのか、何人来るのかも全くわからず、その場で聞くと、弦楽器専攻の大学院生対象で、最初は8-10人くらいだろう、とのこと。10時50分近くになって教室に向うと鍵がかかっていたせいか、待っていた学生はただひとり。それも日本語があまりわからない台湾人留学生。水野さんもおやおやと驚いて来るはずの学生に電話をしまくり、やっと11時頃に5人になった。もっと大勢の学生が来ると思いこんでいたので、調子が狂ったがこのような少人数での対面授業というのは初めての経験。新鮮でなかなかよいものだ。学生も真面目によく聞いてうなずいて下らない冗談にも笑ってくれる。なかでもいちばん驚いていちばん喜々としていたのは、一緒に聞いていた水野さんだった。年に8回くらいと言われていたが、とてもおもしろいので、年に10回、いや玉木さんさえよければ毎週、などという。なんだが自由な学校だな。終わって講師控室にいくと私の芸大の同級生近辺の講師がやたら多く、みんなから「なんでここにいるの?」と変な質問を受ける。今日から純正律についてここで教えるんだよ、というと、みんなはなるほどとニコニコして納得した。講師控室はまるでクラス会のよう。現邦研がそのまま洗足に移行するに当たり、私も年に1-2回、邦楽と音律についての講義もする予定なのだが、さらに作曲の松尾先生からスタジオプレーヤーのようなプロミュージシャンになるにはどうしたらいいか、という講座を持ってくれないか、と言われていて、やはり自由な学校だな、という感じは持っていた。次回は5月19日とのこと。これくらいのペースはいちばんいいね。
帰りに渋谷に出て本屋によると「鉄道員ホントの話!?」という現役の運転士と駅員が発行している鉄道員のメルマガが単行本になったものを早速購入。福知山線の事故の直後でもあり、こういう現業鉄道員の話はありそうでないので、少し斜め読みしただけだが、非常におもしろい。その本でも再三再四述べているが、鉄道員と鉄道ファンは全く違う存在で、当然のことかもしれないが、鉄道員で鉄道マニアというのは実に少ないそうだ。いろんなおもしろいエピソードがありそうだが、そのことについてはいずれまた。