今日は1日、CD聴きまくるぞ、というわけで、先ずは昨日聴いたものの詳細を。先ずブロッホ。スイス生まれのユダヤ人で、イザイにヴァイオリンを習っていたというのも印象的だが、アメリカに帰化してからユダヤの題材で書いた曲が「シェロモ」を始め有名だが、私は「コンチェルトグロッソ」が特に好きだ。しかしイギリスの評論家コリン・ウィルスンの「音楽論」によると、とてもマジメでシリアスないい曲を書くと信頼していると突然受け狙いだけの通俗以下の曲が出てきたりで信用の置けない作曲家だと散々なのだが、その意味が「アメリカ」によってまざまざとわかった。「スワニー河」が出てこようと意図が不明だと不愉快なだけ。なんでここまでいじましくアメリカおべんちゃらへつらい曲を40分も書くんだろう。しかも最後の1分位だけ大合唱が朗々と通俗的メロディを歌うのだが40分近くも待たされてお疲れさま。ブロッホエルガーの「威風堂々」の向こうを張ってアメリカ第二国歌を狙ったのかも知れないが、あさはかさが見え透いていてみんなしらけるわ。体制おべんちゃらへつらい曲ならショスタコの五番のように、絶対にオオマジを装い続けないと見透かされるわな。17世紀の英国流行歌は6/8拍子系が多く大体が民謡ふうだが、同時代のクラシックがゴリゴリの対位法だったことを考えると民衆との隔絶は今に始まったことじゃないな。バークリーとダイソンは下らなさすぎて書くにも及ばない。ナンカロウは人間では絶対に演奏不可能なフレーズを自動演奏ピアノのためにロール紙で表現した変人だがそれを既に1940年代にやっていたんだからケージと充分勝負できる前衛だ。その人の人間演奏盤だが充分に楽しめる。1049円で買えるからおすすめだ(NAXOS新譜)。ボロディンの「イーゴリ公」。これは歴史的興味で買っただけで、良否の問題とはらち外だ。最後に昨夜衝撃を受けたインス。昨日は酔っ払っていたせいか興奮したが、今日は全く違った印象。オケの各パートがトーキングマシーンになっているような個所が多い。こういう手法もありだなあと考えさせられる。手持ちのCDから「Oracle」、8年前に聴いて以来3回目。「Oracle」とは神託とか預言とかいう凄い言葉でIT産業の会社名にもなっている。歌っている男声コーラスも修道僧、それに催眠効果のエレキ附加という新宗教風。しかし癒しのムードは充分。
夜のTV、「行列のできる法律相談所」に横浜市長の中田さんが出ている。急進改革で有名だが良く出たなあ。しかも面白かった。