ヘンデルのオペラ「リナルド」

渋谷のHMVでNaxos盤のヘンデルのオペラ「リナルド」の3枚組を買い、さっそく聴く。これも古楽風でピッチが低く、よくハモっている。こういう演奏だと聴いていてしんどくない。ヘンデルのオペラも以前は平均律地獄の中で演奏して、ちっとも評価されなかったけど、これからは変わるだろう。一幕目で嵐のシーンだろうか、かなり脅しの風の音や打楽器が乱暴に入り、笑ってしまう。R・シュトラウスの「アルプス交響曲」でも風の音を出す馬鹿げたウィンドマシーンというのが登場するけど、Tapeでの効果音がない時代じゃ、ヘンデルもR・シュトラウスも全く同じだなぁ。その点じゃ歌舞伎の大太鼓のデフォルメ音の方が芸が一枚上だな。このオペラでは今や超有名になったアリア「私を泣かせてください」も、まあまあ美しい。朝日新聞の「ジャーナリズム宣言」のTVCFのバックに流れる奴だけどね。