ブラスバンド

横須賀音楽祭のブラスバンドの編曲が迫ってきた。オーケストレーションと違い、ブラスバンドの編成は5年くらいで様変わりする。昔は小バス、中バス、メロホン等があったが、今はどうだろう。小バスはユーフォニウムと呼ぶようになったのかなあ。それよりもサックスが活躍するようになってきた。で、今のブラバンのスコアを参考にするため渋谷のヤマハへ出かけたが全く譜面が充実してなくて、参考にならない。仕方なくというわけでもないがHMVへ出かけた。今日は買うまいと思っていたが、「ミューズ」というヒーリング系ソプラノのコンピのデモを聴いてみたら、サラ・ブライトマンの「ドレッタの夢」があり、たまらず買ってしまった。この曲には大変な思い出がある。私の主治医のシンガーソングドクター、福田六花氏の父上がTBSでドラマの演出家をやっていたころ少し一緒に仕事をやり作曲もやっていた仲だった。その父上が部署もかわり、ドラマから遠ざかっていたが、定年も近くなって病気を得て、最後にもう一度ドラマをやりたいという願を聞き入れられてやり始めたのが芸術祭参加ドラマ「義父のいる風景」。その撮影が始まる少し前に呼ばれ、音楽の依頼を受けたが、そのテーマ曲に使って欲しいと言われたのがプッチーニの「ドレッタの夢」。ドラマの内容は、福田さんの(父の方)お父さんが脳梗塞で倒れた後の家族の闘病記。私は現実に福田家のことも知っていたから結構つらいものを感じつつ、どういう音楽にするか考えているうちに福田さんの病状が悪化。ベッドに呼ばれ、口ずさむプッチーニがしっかり脳裏に入ったのに、演出を引き継いだ若手の演出氏は、そんなものに拘らないで欲しいという。私も悩んだけど、結局福田さんはオンエアーを見ることなく死去された。私はしっかりテーマに使ったけど。