文献社

「伝説の響き』という、往年の名ヴァイオリニストたちのSPをノイズリダクションかけて、28枚組のCD-Box化した文献社の中島さんが来られた。私はセールス訪問は好きではないが、このシリーズの試聴盤を聴いて感じる所があったので会ってみたのだ。
文献社は、私も購入したニューグローヴ世界音楽大辞典日本語版(全23巻)の販売元でもあり、少しは縁がある。グローヴは完売して再販はしないそうだ。手に入れといてよかった。
私はヨアヒム(1831~1907)1903年録音SP盤は聞いていたがほとんど針の擦過音ばかりでヴァイオリンはかすか。それが素晴らしいノイズ消しでヴァイオリンの弾き方がよくわかる。
彼はほとんどヴィブラートをかけていないが、それが彼のスタイルなのか72歳という歳のせいかは分からないが中島さん持参のヨアヒム演奏のバッハの無伴奏ソナタには驚いた。私がいつも目標にしている純正律音程なのだ。これならヴィブラートはほとんど必要ない。
私は早速ストリング誌の青木さんに電話したら大変興味があるとのことなので試聴盤を送るように話をつないだ。
いろんな話をしたが、この膨大なSPコレクターの存在には驚いた。世の中にはいろんな人がいるもんだ。