田中宇氏、続き

日銀問題で田中宇氏が続きを書いた。どうも冗談ではないらしい。面白いので
また引用させてもらう。

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▼「今後は強い円が日本の国益に合う」

 日本政府は、日銀総裁を4月上旬まで空席にすることにしたが、この戦略は
正しい。米金融界は今後4月前半にかけて崩壊していくだろうから、ちょうど
その時に、日本は日銀総裁がいない状態だ。前回も書いたように、これは米政
府から米国債の大量購入を頼まれるのを防ぐため、福田首相小沢民主党党首
が談合して日銀総裁を決められない状態にした疑いがある。敗戦以来、日本政
府は、アメリカから強く頼まれたことは断れない状態にある。「日銀総裁が空
席なので、決められません」「野党が反対してますので、できません」と言う
ぐらいが最大の戦略である。

 日本のマスコミは、日米欧で協調してドルを支えねばならない時に日銀総裁
がいないのは福田政権の失策だ、という論調だが、これは国賊的な間違いであ
る。米政府自身がドルを下落させている時に日本などが買い支えても、一時し
のぎ以上の効果はなく、結局買った米国債やドルが下がり、日本人の税金が無
駄遣いされるだけだ。

 EUの中央銀行(ECB)は「米連銀は自らの失策の結果、金融崩壊を激化
させているのだから、ECBが連銀に協力して利下げする必要などない」と傍
観する姿勢をとっている。日本政府も、同じ気持ちだろう。対米従属の日本は、
EUと同様の露骨さでアメリカを批判できないので、代わりに日銀総裁空席作
戦などで、米からの要請の回避を目論んでいるのだろう。